よりよい習慣をつくる完全ガイド
続く習慣のつくり方、進み具合の記録の仕方、長く続く変化の起こし方。研究にもとづいた、実際に役立つ方法をまとめました。
これまでにも試したことがあるはずです。アプリをダウンロードしたり、ノートを買ったり、「今度こそは違う」と自分に言い聞かせたり。そして数日、もしかすると数週間は、実際に違いました。それから、いろいろなことが起きます。連続記録が途切れ、アプリは削除され、振り出しに戻っていました。
思い当たりませんか。あなただけではありません。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究によれば、新しい行動が自然にできるようになるまでには、平均66日かかります。おそらく聞いたことのある21日ではありません。何かが自然に感じられ始めるまでに、2か月以上意識して取り組む必要があるのです。
けれども、多くの人が習慣について取り違えていることがあります。大事なのは意志の力ではありません。仕組みです。
このガイドでは、習慣の形成の背景にある研究から、今日から使える実践的な方法まで、本当に続く習慣をつくるために知っておきたいことをすべてまとめています。
目標より習慣が大切な理由
目標は結果です。習慣は、そこへたどり着くまでの過程です。
考えてみてください。マラソンを走りたい人は誰でも、同じ目標を持っています。42.195kmを完走することです。完走する人と夢見るだけの人を分けるのは、目標そのものではなく、それを可能にする毎日の習慣です。朝6時のラン。ストレッチ。続けられるトレーニングの予定。
ジェームズ・クリアーは、人は目標の高さまで上がるのではなく、自分の仕組みの高さまで落ちる、という趣旨のことをうまく言い表しています。
強い習慣をつくれば、行動するのにやる気はいりません。歯みがきやシートベルトを締めるのと同じように、その行動は自然なものになります。それが習慣の力です。するかどうかを考えなくなり、考える必要のあることに注意を向けられるようになります。これが「決断疲れ」を防ぐ方法として紹介されているのを聞いたことがあるかもしれません。その考え方は自我消耗の研究から来ていますが、23の研究室で行われた追試では効果はほぼゼロだったので、議論のある説として受け止めてください。
習慣ができる仕組み
どの習慣もループに従います。きっかけ → 欲求 → 反応 → 報酬です。
**きっかけ:**何かが、脳に行動を始めさせます。時間帯、場所、感情、あるいは直前に終えた行動かもしれません。
**欲求:**その行動に引き寄せられるのを感じます。習慣そのものがほしいからではなく、それがもたらす状態の変化がほしいからです。
**反応:**実際の行動、つまりあなたがすることです。
**報酬:**その行動から得られるもので、ループを強めます。
このループを知ることが大切なのは、どこに手を入れればいいかがわかるからです。新しい習慣をつくりたいなら、きっかけをわかりやすく、欲求を魅力的に、反応を簡単に、報酬を満足できるものにします。悪い習慣をやめたいなら、それぞれを逆にします。
2分ルール
新しい習慣をつくるいちばん効果的な方法の一つは、2分以内で終わるまで小さくすることです。もっと本を読みたいなら、1ページ読むことから。運動したいなら、ランニングシューズをはくことから。ねらいは行動を全部することではなく、取り組むというパターンをつくることです。
取り組むことが自然になったら、習慣を少しずつ広げていけます。
本当に続く習慣のつくり方
1. ばかばかしいほど小さく始める
いちばん多い失敗は、一度に多くを変えようとすることです。ジムで1時間と決めるのではなく、腕立て伏せ10回と決めましょう。30分瞑想しようとするのではなく、60秒から。成功は、成功の上に積み重なります。
スタンフォード大学のBJ・フォッグの研究によれば、小さな習慣は、始めるのにやる気がほとんどいらないので続きやすいのです。抵抗がとても小さいので、するよりも飛ばすほうが難しく感じられます。
2. 新しい習慣を今ある習慣に積み重ねる
習慣の積み重ねは、一日に新しい行動を加えるための、いちばん頼りになる方法の一つです。型は「[今の習慣]をしたら、[新しい習慣]をする」です。
朝のコーヒーをいれたら、2分間ジャーナルを書く。机に座ったら、その日の優先事項を三つ書く。今ある習慣が、新しい習慣のきっかけになります。
3. 環境をデザインする
あなたは、自分で思っているよりずっと、環境に左右されています。健康的に食べたいなら、果物を台所のカウンターに置いて、クッキーはしまいましょう。もっと本を読みたいなら、枕の上に本を置きましょう。よい習慣からは手間を取り除き、悪い習慣には手間を加えましょう。
4. 進み具合を記録する
習慣を記録することには二つの働きがあります。自分への責任感が生まれ、進み具合が目に見えるようになります。達成した日の連なりが伸びていくのを見るのは深い満足があり、それを途切れさせるのはつらいものです。
American Journal of Preventive Medicineに掲載された研究では、毎日行動を記録した人は、まったく記録しなかった人に比べて、目標を達成する割合が2倍でした。
5. 2回続けて休まない
1日休むことはあります。避けられません。大切なのは、そのあとにどうするかです。1回休むのはアクシデントです。2回続けて休むと、それは新しいパターンの始まりになります。連続記録の心理学によれば、すぐに元に戻ることが、できることの中でいちばん大切です。
習慣づくりのよくある失敗
21日の俗説
習慣をつくるには21日かかると聞いたことがあるでしょう。そうではありません。この数字は、1960年に、整形手術を受けた患者が新しい見た目に慣れるまでについて書かれた観察から来たもので、もともと習慣の話ではありませんでした。実際の日数は、その行動の複雑さによって18日から254日まで大きく違います。
やる気に頼る
やる気は当てになりません。天気のように来ては去ります。「気が向くかどうか」を軸に習慣の仕組みをつくると、調子のよい日にしか続きません。そうではなく、やる気がゼロのときでも働く仕組みをつくりましょう。
いきなり大きく、速く進めすぎる
大きな意気込みは、継続の敵です。1%のアプローチ、つまり毎日少しずつよくなることは、続けられるので、劇的な大改革にいつも勝ります。
記録の仕組みがない
測れるものは、管理できます。紙のカレンダーでも、表計算でも、習慣を一つずつチェックでき、Aura Proではフレンドと進み具合を共有できるAuraのようなアプリでも、方法より、記録を続けることのほうが大切です。
つくる価値のある習慣の種類
すべての習慣が同じではありません。大きな影響をもたらしやすい種類を挙げます。
キーストーン習慣:よい連鎖反応を引き起こす習慣です。代表的な例は運動です。定期的に運動する人は、食事も睡眠もよくなり、生産性も上がりやすい傾向があります。
朝の習慣:一日の始め方が、そのあとのすべての調子を決めます。15分のシンプルな習慣でも、慌ただしい朝を、意図をもって過ごす朝に変えられます。
振り返りの習慣:ジャーナリング、今日できたことの記録、一日の終わりの短い振り返り。これらの習慣は自分への気づきを育て、それはあらゆる改善の土台になります。
長い目で見る
習慣づくりは華やかなものではありません。一晩での変身はありません。結果はゆっくりと、そしてあるとき一気に現れます。人生の複利のようなものです。
1日20ページ読む人は、年に30冊読み終えます。毎日30分運動する人は、年に180時間以上トレーニングをすることになります。小さな「できた」は積み重なって、並外れた結果になります。
大切なのは忍耐です。退屈なときも、誰も見ていないときも、結果がまだ見えないときも取り組むこと。本当の変化は、そこで起きます。
今日から始める
完璧な仕組みはいりません。あと5本の記事を読む必要もありません。必要なのは、小さな習慣を一つ選んで、今日始めることです。
小さく。わかりやすく。記録する。そして1日休んでしまったら(必ずあります)、すぐに戻りましょう。
それだけです。秘訣はそれで全部です。
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